今年度の自遊祭について 〜 私たちは何を描くべきなのか 〜

今年度の自遊祭について 〜 私たちは何を描くべきなのか 〜

 7月に入り東京をはじめとして全国で新規感染者数の増加が報告されています。ここ静岡県でも累計200人を超える感染者が確認されています。私たちの学校も引き続き、感染防止対策に取り組みながらの学校活動を続けています。見えないものとの対応は精神的にも、体力的にもかなり消耗するものです。長期に渡る影響が予想される中、持続可能な対応に柔軟に変化させていく必要性を強く感じています。
 今私たちの考えるべきことのひとつが、自遊祭についてです。全校の保護者に意見を求めるアンケートを実施し、保護者会役員会では役員のみなさんの意見を頂戴しました。また、同日医療従事者の保護者に集まっていただき、真摯に意見交換を行いました。三年生とは授業の中で現状の確認や短い時間でしたが、話し合いをしました。実行委員の生徒とは連日会議を開いて検討を重ねています。今後、全校生徒にアンケートを実施するとともに、慎重に三者で検討を続けていく予定です。
 この未曾有の状況の中で、私たちは何を描くべきなのか。
 コロナ感染の状況に加え、豪雨災害が各地で生じている現在、あらためて『命』と向き合う機会が増えています。『命を守る』こと、そして『命を育む』こと。
 命を守るという視点で考えたとき、それを損なう可能性のあるものから距離を置くということが考えられます。その主たる根拠は、科学的事実です。また、私たちは生きるためにはパンが必要です。それ故に命を守る視点から経済活動を外すわけには行かないでしょう。(もしくは相応の保障が必要になるでしょう)世界中の医療従事者をはじめ沢山の人々の努力のおかげで、随分と多くのことがわかってきています。一方、経済の動向を見ていくと、多くの分野において過酷な現状が見えてきます。誰にとっても初めての連続の中で、舵取りをしていくということは本当に大変なことだと思います。自分の行動を判断することですら難しいことなのに、これが県であったり、国であったり・・・。さまざまな側面はあるでしょうが、極めて苛烈な状況なのだろうと想像します。
 変化し続ける状況に応じた対応策を講じる中で、大切なことは臨機応変性を保つことだと思います。言い換えると、『修正すること』を前提にすること。私たちはただでさえ、誰もが間違いを犯します。そして現実の世界は変化の連続です。やってみないとわからないこともあり、やってはみたものの上手くいかないこともあります。そのうち新たな知見がわかってきて、うまくいっていたものでも、より良い対応が見えてくる事もあります。そうであるならば、単純に修正すればいい。もっと間違いに寛容になりましょう。もっと修正する勇気を持ちましょう。間違いを受け入れ、修正する価値を共有できれば、少しだけでも楽になれる気がします。私たちが分断してしまったり、憎しみあったりしないように。一緒に考え、励まし合い、支え合い、知恵を紡いでいけるように。
 『命を育む』ということ。これは社会全体が存続する命題のひとつでしょう。子どもたちに対して、本来学校教育がその大きな役割を担っていると考えています。教育基本法の第一条、教育の目的には、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」とあります。また、養育の最終的な目標は、『自分で考え、判断できる』ようになることです。私たち学校は今、子どもたちの命を温め、育むために何をすべきなのか。そして、子どもたちと一緒に、保護者の皆さんと一緒に、これを読んでくれている皆さんと一緒に、今、そして未来に何を描くべきなのか。教職員とも支え合いながら、逡巡し考え続けていこうと思っています。みなさん、力を貸してください。知恵をかしてください。よろしくお願いします。
 急激に暑くなってきました。時節柄お身体ご自愛ください。

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